狂気への片道切符


タイム・イズ・ライト(紙ジャケット仕様)

タイム・イズ・ライト(紙ジャケット仕様)

 ロンドンにあるIBCスタジオでエンジニアをしていたブライアンとデーモンの二人組が結成した架空のユニット(ジャケ裏にあるバイオは全部嘘!)。この二人、60年代末にFactoryというバンドのシングルを手がけたり、70年代始め頃にFIVE DAY RAINというサイケ・バンドを組んでたりと英国ポップの裏街道一直線ですが、そんな経歴の持ち主が手がけた今作もやはりどうしようもなく英国ポップ度濃厚の出来映え。とにかく、スタジオこもりがちなポップ職人特有の「ポップの狂気」が随所に滲み出ている所が素晴らしいです。10ccばりの曲調のカラフルさと、低予算ゆえのこもった音像、そしてFactory、FIVE DAY RAINと続くサイケの残り香が醸しだす、ちょっと湿度の高めの地下室ポップスの狂気ワールド。パンク全盛期にこんなポップな内容で『Time Is Right』なんて自虐的なタイトルをつけてしまうところももうどうしようもなくヒネくれているのだけど、全てが並列で語られる2006年の今、ここで再発されるこの時こそがまさに「Time Is Right」なのかもね。


おかず五品

シート・ミュージック(紙ジャケット仕様)
How Dare You
Magic
Chips From the Chocolate Fireball
魔法使いは真実のスター(K2HD/紙ジャケット仕様)