今日の音飯

standing stone

OLIVER / STANDING STONE (WOODEN HILL)

1974年に250枚だけ作られたウェールズシンガー・ソングライターの幻のアルバム、だそうです。もうここまでいくと何が善で何が悪なのかよくわからなくなってきますね。でも、これは善の方に入るんじゃないでしょうか。基本的にはブルース色の強い弾き語りスタイルなんですが、ギターやヴォーカルにエフェクトかけ捲りで空間がかなりゆがんでおります。ヴォーカルがファズを目いっぱいかけてががなりたてた(この辺ちょこっとCAPTAIN BEEFHEART風)と思えば、普通にアシッドなゆるーいフォーキーな小品も披露したりと芸風のふり幅もかなり広いです。狂気的なヴォーカルはBUTTHOLE SURFERSの、トリッキーなギター・プレイはRAGE AGAINST THE MACHINE(???)のそれぞれ20年先を行っていたとも言ってもかなり過言ではありますが、そう妄想したくなる何かがここにはあります。ふり幅の大きさといえば同郷のSUPER FURRY ANIMALSのそれにも通じるものがあり、かの地の奥深さを思い知らされます。彼らのもつちょっとファニーなフリークアウト感覚のルーツはMEIC STEVENSよりも案外こっちなのかも。