今日の音飯

oklahoma toad

DAVE FRISHBERG / OKLAHOMA TOAD (VIVID)

 両生類嫌いの人にはたまらないのだろうけど、茶を基調にした全体の色彩感がナンだか憎めない、人懐っこい印象を与えるジャケの印象そのまんまの、実にのほほんとしたポップスを聴かせてくれる本盤の主人公デイヴ・フリッシュバーグ。かのBLOSSOM DEARIEに曲を提供した作曲者として(そこそこ)名の知れた人なのですが、CTIレーベルの最初期(1970年)に密かにこんな素敵なアルバムを残してやがりましたよ。もう、憎めないなぁ。BOB DOROUGHとMARGO GURYANのSPANKY & THE OUR GANG周辺の二人による共同プロデュースということで、どこかくすんだ色のオールド・タイミーなポップスが10曲さりげなくも小粋に並んでおります。決して見せびらかさないというか、聴く者の心を和らげるような柔らかさ、温かさが「ほこっ」と音に漂ってるんですね。「まったり」ではなく「ほんわり」って感じ。そして、ややオン気味なのにドアの後ろに隠れながらそっと歌ってるようなヴォーカルの慎ましさというかイジケっぷり(?)がそんな「ほんわり度」に火に油を注ぐ結果に。あ、そうだ。これがもっと引っくり返ると、JAD FAIRになりそう、って今思いましたよ。メガネ繋がりだしな。あと、カエル繋がりで言えば『FROG CITY』なるアルバムがあるSOUTHERN COMFORTのもつ、ちょっとペーソス入り気味の柔らかテイストにも通じるものがあるかなーってそれはさすがに強引だ。「ノスタルジー」という言葉に最近めっきり弱くなってしまった若年寄(というか老若者というか)にはたまらない魅力をもつ音盤でありますよ。あ、よく見たら裏ジャケに猫が居たぞ。