9月12日の音飯

ギターウルフ


2004.09.12 新木場でのRAW LIFEフェスのレポート


気合入れて始発で6時頃到着。が、入り口でペットボトル没収されていきなり意気消沈。

気を取り直して、rawステージでtexaco leather manを見る。ぶっ壊れガレージロック。ボーカルはニセの日本刀を振りかざし、でっかく「TOTO」と入ったtシャツを着たヒゲのギターが暴れまわる中、一人冷静にベースを弾いてたビキニのおねーちゃんがクール。とりあえず朝の6時から俺達何やってんだろうという疑念とそこから生まれたヤケクソ感が演奏者と観客を巻き込みステージ全体が狂騒状態と化していた。

次にグラスステージに戻って曽我部恵一。爽やかに登場して爽やかに歌を披露。まるで70年代当時のフォーク・フェスティバルさながらののどかな雰囲気に心が和んだ。最後はサニーデイの「青春狂騒曲」で、そう言われてみれば「早朝に無茶をやる」というのは「青春」以外の何物でもないなーとも思ったり。

間髪いれず次はフリスコ。まったり生演奏ダブ。ドライ&ヘヴィならぬライト&メロウといった感触で、こっちはこっちで早朝という緩い空気感にピッタリ。っていうか殆ど反則。

続いてはtuff session。こっちはレゲエでヴァイオリン奏者がいるのが特徴。これまた比較的緩い感じでフリスコからの流れはバッチリ。いい感じにステージを盛り上げてくれた。

ここで諸用で一旦新木場駅まで引き返す。それにしても駅から会場まで遠い!往復で30分くらいかかった。フジと同じくらいか。

んで、戻ってきたらrawステージからノイズ以外の何物でもない音が聞こえてきたので慌てて走って行ったら丁度終わった直後で残念無念。機材片付けてるのはよく見たら湯浅学さんだった。studio boyzっていうバンド名はひょっとしたらstudio voiceと関係あんのかも。

んで、続いて始まったのは秘密博士のDJ。簡単にいうとムード歌謡をかけて自分もマイクで歌うという「シンガーソングDJ」(さらに解りやすく言うと単なるカラオケ)という実に懐の深い芸を披露。しかしマイクの音量が小さくて本人の声がよく聞こえなかったのはご愛嬌。あと、rawステージが外に比べて意外と過ごしやすいことに気づく。日陰って大事ね。ここから殆どrawステージを見物。

秘密博士が歌ってるところでおもむろに始まったbutthead sunglass。ボーカルの人どっかで顔を見たことがあるけれど思い出せない。初期ボアを髣髴させる混沌としたサウンドだが、ノイズの垂れ流しやコケ脅しに近い部分もあって冗長なところが目立った。マイクの調子がイマイチだったのが惜しい。

次、メインでCICADA。トリッキーなポスト・ロック。カラッとしたROVOというかなんというか。面白いことをやってるとは思うのだけど、トリプル・ドラムが噛みあってなくて(というか一台音出てなかった?)いまいちのれなかった。っていうか、あちい。

rawでbreakfast。こっちは陽性のハードコアで比較的ノリやすい。カラッとしてる。客もノリを心得ている人が多くて楽しく見れた。ボーカルの人の最後の長いMCがオモロかった。喋り慣れてんなーという感じ。

続いてabraham cross。こっちはひたすらノイジーなハードコア。アンプの前にギター置いてひたすらノイズを垂れ流しているのだけど、breakfastのあとだと何ともシマリが悪く聴こえてしまって途中で退場。ただしボーカルは結構男前。

次、struggle for pride。ギターのアンプ、マーシャル3つ繋げてるのだけど、そのうちの一つがすごいボロボロで前を覆う布とか破れてて異様な雰囲気。あと、ギターの兄ちゃんがペイヴメントのベーシストにちょっと似てる(どうでもいい)。始まると、とにかく大音量でウルセーんだけど、意外と曲の構造はしっかりしていて(リフはちゃんとある)普通にノレる。お客さんも大興奮で演奏開始早々に最前列の柵が取り払われて客席とステージの境目がなくなり混沌の極致に。それでもテキサコみたいに暴力的な雰囲気にならず、どこかピースフルな雰囲気が流れてたのはマイク・タイソン似のボーカルの人柄か?(すごいいい人そう)モッシュでギターのエフェクターが外れそうになった時も前列の客が必死にかばってあげてたのはいい光景(あとでお礼言われてた)。最後はボーカルをみんなで胴上げして終了。壮絶だったけどスカッとする気分のいいライヴだった。

しばし休憩を挟んで、DJ BAKU@raw。相変わらずトリッキーでヤバいプレイの連続。後半ヘルメットをブレイクビートにしてたのがエラいかっちょよかった。ヘルメットのドラムの抜けのよさを再認識。それにしてもこの人、機材さばきが絵になるねぇ。

次、REBEL FAMILIA。生ベースとシンセの生ミックスでこっちもヤバいドープ音出まくり。まだ昼過ぎだっつーのにテントの中で暗黒空間が現出。お腹一杯。っていうか、この音でrawステージってのは少々勿体無いかもなー。

Rub-a-Dub Market。全然知らなかったけど、ダブをベースとしたポップでノリのいいサウンドで楽しめた。フロントの三人の男前、デブ、メガネという見事なまでのキャラのたちっぷりは「なか良し三人組」を髣髴させた。デブのマイクにリヴァーヴがかからなかったのが残念。あと、男前は小宮山雄飛に似てる。

SHIRO THE GOODMANモユニジュモの共演。基本的にグッドマンのDJをモユニジュモがマイクで煽るっていう構図。たぶん事前の打ち合わせとか一切ナシでやっちゃってるところがRub-a-Dub Marketの完成された世界とは違った先の読めない面白さを生み出していたけれど、それゆえにお互いの良さを殺している場面も少なからずあったように思えたのがちと残念(中盤音数が少なくなった所でモユニジュモがもてあまし気味だったり、グッドマンのビートが盛り上がってきた時にモユニジュモの声が被さって聴き取りにくくなったりとか)。

KING JOEのDJはノリノリでロックンロールをかけまくってキングジョー自身もテーブルの上で踊っちゃったりするもんだからノレないわけがないっていう感じで、お客さんはちと少なかったけど楽しめました。プレイは粗かったけど(曲間ブチ切るし)それもこの人の人柄に合ってて面白かった。ノリってほんと大事。

ここでやっとメインに戻ってcjammbon。集中して聴いてなかったので判断できません。とりあえず姿勢としては面白いけど、音として面白いのかどうかは微妙かなー。

tuckerはもうこれで4回目ぐらいになるけど相変わらずテンション高くて楽しい。でも今回はベース演奏中にステージから落ちて機材が壊れて、オルガンの音もボロボロで全然「キャラヴァン」に聴こえなくってただのノイズになっちゃってたのは残念。でも最後ヤケになってターンテーブル燃やしちゃうのはすごいと思った。でも後でメチャメチャ怒られてそう。

ギターウルフ。トリだけあって貫禄あるプレイ…などは微塵も見せず。ひたすら暴走、暴音、暴演。「新木場RAW LIFEベイベー!」最初の方全然PAの音量が小さくて途中でセイジがキレてマイク倒しまくり。でも最後はロックンロール!の絶叫でシメ。その様はまさに闇夜に響き渡る狼の遠吠えの如し。アンコールの後、もうないだろうと思ってたらスタッフが撤収してる中で出てきてアカペラで「アイ・ラヴ・ユー、OK」を熱唱のおまけつき。最後は観客の「漢」コールが巻き起こる中、ロウ・ライフは終わりました。来年もやってね。