オクラホマシティで脳障害

Brain Damage in Oklahoma

Brain Damage in Oklahoma

 レコード・デビュー前のVelvet Undergroundに在籍していたパーカッショニスト、アンガス・マクリーズの60年代末から70年までのパフォーマンスを収めたCD。何と言っても圧巻なのはTony ConradとHenry Flyntが参加した「Dream Weapon」というタイトルのトラックで、実に30分に渡ってコンガとフルートとコンラッド自家制のlimp string(?)による実に混沌とした民族音楽っちゅうか秘教的サイケデリック・ドローン地獄絵巻が展開しております。いやぁ〜まさに脳障害が起こりかねない実に危険なブツっすよ、これは。特にすごいのはやっぱりアンガスさんのコンガで、その嵐のような怒涛の叩きっぷりはもはや何かに執りつかれているとしか思えません。この辺りのドローンものって「リズム」という側面が余り重要視されない傾向にある(というかむしろそれを排除することによって時間感覚を麻痺させるという意図がある?)ように思ってたのですが、そんな私感を根底から覆すような圧倒的な人力トランス・サウンドの推進力はもはや暴力的ですらあります。それはまるでコールタールの海の中をもがきながらもズンズンと前進しているかのよう。もし彼がそのままヴェルヴェッツに残っていたら「Sister Ray」とか一体どんなことになったんだろなーと思わず妄想を禁じえません。失禁。