今日の音飯

magic brother


GONG / MAGIC BROTHER (BYG)
 レコード・デビュー前のSOFT MACHINEにも在籍したDAEVID ALLENがパートナーのGILLI SMYTHと共に生み出した魔法物語(ゴング)の第一章(鐘)。それがこの『マジック・ブラザー』だ。フランスの前衛ジャズ・レーベルBYGから69年にリリースされた本作は後のジャズ・ロック的な要素はまだなく、アレンとジリのおしどり夫婦のアシッドさを湛えたヴォーカル(といってもジリは殆ど笑い声担当)が穏やかなサウンドと溶け合う60年代後半のビート・ポップの香りもうっすらと感じさせるポップ・アルバム。アレンジがシンプルな分、アレンのユニークなソングライティング能力をじっくりと堪能することができる。同時期のソフツやシド・バレットなどと比べても陽性の穏やかなトリップ感が印象的。夫婦から生まれるケミストリーという点ではOF MONTREALの最新作『SATANIC PANIC IN THE ATTIC』もふと思い出した。あと、初期GORKY'S ZYGOTIC MYNCIファンにもオススメ。