今日の音飯

AL JONES / ALUN ASHWORTH JONES (MOONCREST)
 意外な拾い物。60年代後半の英国のフォーク・シーンで活躍した才人の幻のアルバムの復刻。NICK DRAKEやBERT JANSCHのような超然としたところはあまりなく、どこか飄々とした感覚があるのがこの人の持ち味で、同時にさりげなくアシッドな香りも漂わせているところが面白い。まるでジャケットのような中世の英国貴族が宮殿の庭で水パイプをくゆらせながら弾き語りをしているかのような、上品さと小粋さと幻想性を携えたサウンドが実にユニーク。勿論シンガーソングライターとしての力量も相当なもので、セプテンバー・プロダクションの制作だけあってサウンドのクオリティもかなり高い。なんでこれが当時あまり評価されなかったのかちと不思議ではある(つかみ所がなかったからか?)。またボーナストラックとして当時のライブが収録されているのだけれど、エルヴィスの物真似をしたりラ・バンバをやったら途中でビートルズになっちゃったりとお客さんに大受けで、アルバムとはまた違ったユーモアを見せてくれる。英国フォーク好きなら買いです。