今日の音飯

ADVENTURE TIME/ DREAMS OF WATER THEMES (PLUG RESEARCH)
 サンフランシスコのフニャフニャ・エレクトロニクス・アーティスト、DAEDELUS(もみあげ)と、DAEDELUSは勿論サイケ・ヒップホップの雄NOBODYやMIA DOI TODDなんかとも交流のある先鋭的な西海岸のWEB RADIO、DUBLABの主催者FROSTY(伊達男)の二人からなるユニット、ADVENTURE TIMEのファースト・アルバムがプラグ・リサーチから初登場。DAEDELUSの前作『INVENTION』(ちなみに日本特別編集盤のタイトルは『MAKES FRIENDS』)で聴かれたようなアブストラクトというかなんかフニャフニャしたつかみ所のないビートと何ともレトロなサンプリング、そしてBUSDRIVERとRADIOINACTIVEとのユニットTHE WEATHERでのHIPHOP路線を全て融合させ、より曲としてわかりやすく、なおかつポップにまとめたという印象。「水」というコンセプトを基にしているためフワフワした浮遊感を感じさせつつも、変幻自在にコロコロ変わる曲調はまさに聴く者を音の冒険へ誘う。それは幼い頃にやったファミコンの匂いがする。といってもファミコン特有のチープな質感のBGMのことではなくて、ファミコンをやってるときのワクワク感のことだ。喩えるならドラクエ3で初めて船で海に出たときの事や、初期のナムコファミコンゲームの幾つかで感じられる子供心を絶妙にくすぐるあのワクワク感。それとと同じものをこのアルバムには感じる。ジャケットのイラストが更にそのワクワク感を補っている。DAEDELUSの音作りにはいい意味で西海岸特有のレイドバックした感覚と同時に、子供のような無邪気さ、遊び心を感じていたのだけど、このアルバムはまさにそういう意味で彼の資質が最もわかりやすい形で現れた一枚だといえるだろう。"KAPPABASHI"なんてタイトルがあるのはご愛嬌。去年の来日で日本がよっぽど気にいったのかしらん。