今日の音飯

MONTAGE / MONTAGE (LAURIE/SUNDAZED)
バロック・ポップの先駆的存在LEFT BANKEの主要メンバーだったMICHAEL BROWNがプロデュースしたバンドの唯一のアルバム。68年発表。しょっぱなからレフト・バンク・チックな弦楽器の旋律にニンマリ。こりゃ殆ど、っていうかモロ・レフバン。と思ったら作曲は殆どブラウンが手がけていて、更に思いっきりレフバン時代の曲も再録とあれば、このアルバムの意図がうっすらと見えてくる。そう、これはブラウンにとってはレフバンのサード・アルバム的な扱いなのではないか。そう、レフバン時代では果せなかったことを名前を変えてやってみたかったのではないかと。新たな出発地点、もしくは例えばBRIAN WILSONみたいな役割を果たしてみたかったのではないかと。だから、このバンドのメンバーは彼の地元の後輩かなんかで担ぎ出されただけで、ほんとはライブとかはやってなかったのかもしれない(内ジャケにライブ写真みたいなのあるけど、なーんかうそ臭い)し、もしくはセッション・ミュージシャンを集めただけで実在すらしない覆面バンドだったのかもしれない(モンタージュという名前からして怪しい)。更に言えばメンバーにMIKE NESMITHを思い起こさせるMIKE SMYTHなんて名前の人がいて、更にベースにはCORNELIUS(『猿の惑星』ね)っていう苗字の人がいて、更にMONTAGEのMON繋がりで…なんとなーくこのバンドの方向性が見えてきたぞ!なんてね。ただ、惜しむらくはこれ以降作品がないことで(BROWNはこの後STORIESというバンドを結成する)、もしこのアルバムが大ヒットしてたら、『MORE OF THE MONTAGE』とか作られて、音楽の歴史がまたちょっと変わってたかもしれない。…まぁとにかくそういった胡散臭さも内包しつつ、音楽的にはLEFT BANKEをやや洗練させた趣のあるバロック・ポップをさらりと聴かせる好内容のアルバムだ。