2000年代オブスキュア・サイケ・ポップの雄、ASPERAの2003年発表のアルバム。ASPERAといえば同じ
フィラデルフィア出身のLILYSとのSPLITアルバム(ASPERA AD ASTRA名義)が有名だけど、前作までのそういったバンド・
サウンドから大きく変化した模様。そもそもこのバンドって
MY BLOODY VALENTINEの
KEVIN SHIELDSの弟がいたバンドROLLERSKATE SKINNYのフォロワーっつうかモロパクリ(オリエンタンルなメロディとか
サウンドの組み立て方とか)っていう気がしていまいちのめり込めなかったんだけど、今作では打ち込みの比重が増した(POSTAL SERVICE辺りに刺激を受けたのか?)分、バンド独自の個性が確立されてきた印象だ。曲によっては80年代エレポップを感じさせる部分もあり、“アシッド・エレ・ポップ”なんて聞いた事のないような未知の領域に突入している感もある。今のFLAMING LIPSを70年代のENOがプロデュースしていたらこんな音になったのかもしれない、とか、もしくは『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』以降の
MERCURY REVがTHE BANDを通過していなかったらこうなっていたかもしれないと思わせるものもある。今後この路線を突っ走ってもらったら本当にとんでもないバンドに化けるかもしれない。期待大。